メッタ・サンディフォード・アーテストは、インディアナ・ペイサーズ時代にNBA史上最悪の乱闘劇とされるパレスの騒乱に加わった選手のひとりだ。

パレスの騒乱の最初のきっかけとなったのは、アーテストのベン・ウォーレスに対するハードファウルだ。

その後両チームの選手が入り乱れる事態となったわけだが、あるファンがオフィシャルテーブルに横たわっていたアーテストにビールが入ったカップを投げつけると、激昂したアーテストはスタンドに駆け上がり、ファンを巻き込んだ大乱闘劇に発展した。

アーテストによると、彼が激昂しなかったとしてもパレスの騒乱は起こっていたという。アーテストのコメントをfadeawayworld.netが伝えている。

あの争乱はいずれにせよ起こっていたと思う。

僕が冷静だったとしても、いずれにせよ起こっていただろう。

僕は実際に冷静だった。

テーブルの上で深呼吸していた。

そんな時に何かを投げつけられても対応できない。

あれはビールが入った赤いカップだった。

あまりに急な出来事だったから、僕は何が起こったのか分かっていなかった。

0.5秒くらいだったと思う。

僕は立ち上がり、「まさか誰かが僕を殴ったわけではないだろうな」と思った。

君たちも知っての通り、僕は激怒したんだ。

アーテストによると、もし同じことが起こったとしても、当時のようなことはしないという。

嘘をつくつもりはない。

僕が怒るべきだったかって？

おそらく怒るべきだった。

もう一度同じことをやるかって？

おそらくしないだろう。

だが、同じくらい怒ったと思う。

僕はあの人を許した。

たとえ僕が契約やスポンサーシップを失ってしまったとしても、僕は書類より人間関係のほうが重要だと思うんだ。

最悪の乱闘を引き起こしたアーテストに対し、NBAは86試合出場停止処分という極めて重い罰則を科した。

NBAはその他、スティーブン・ジャクソンに30試合の出場停止処分、ジャーメイン・オニール25試合の出場停止処分、その他関わった選手たちに罰則を科した。

近年のNBAでは選手とファンの激しいトラッシュトークが見られるが、パレスの騒乱のような大乱闘が二度と起こらないことを祈るばかりだ。